患者もまばらな午後の病院
眼科待合室。
散瞳点眼薬のせいで
俺の視界はどんどん不明瞭になる。
墨絵のようにエッジのぼやけた世界。
生理的な涙がさらに在り処の知れない焦燥感を煽る。
自分の境界すら曖昧になって
世界に溶け出してしまいそうな
そんな気がして俺は瞼を閉じ
闇に逃げ込んだ。
眼科待合室。
散瞳点眼薬のせいで
俺の視界はどんどん不明瞭になる。
墨絵のようにエッジのぼやけた世界。
生理的な涙がさらに在り処の知れない焦燥感を煽る。
自分の境界すら曖昧になって
世界に溶け出してしまいそうな
そんな気がして俺は瞼を閉じ
闇に逃げ込んだ。
帰省中。
鳥取県の山奥。
微弱な電波の隙間をかいくぐってあるメールが届いた。
発信者の名前は登録されていなかった。
でもメールアドレスを見れば誰だかすぐにわかる。
詐欺師を意味するのだと笑った顔を覚えてる。
2年ぶりのメールだ。
『うぉいっす暑いな ところでエロ追究してる?』
ユウヤだった。
鳥取県の山奥。
微弱な電波の隙間をかいくぐってあるメールが届いた。
発信者の名前は登録されていなかった。
でもメールアドレスを見れば誰だかすぐにわかる。
詐欺師を意味するのだと笑った顔を覚えてる。
2年ぶりのメールだ。
『うぉいっす暑いな ところでエロ追究してる?』
ユウヤだった。
ただ、俺はどこまで堕ちてしまえるのかが知りたかっただけなのだ。
依存することが俺は嫌いではない。
というと
コンタが笑った。
「おまえでも依存したりするんや?」
俺はそんなに強く見える・・・?
日曜。
演奏会の朝である。
俺は朝飯を食べないまま、すきっ腹にビールを二本あけて、チェロを抱きかかえていた。
演奏会の朝である。
俺は朝飯を食べないまま、すきっ腹にビールを二本あけて、チェロを抱きかかえていた。
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