ども。
ええかげん朝のジョギングが辛いレンジです。
でもどうしてもやめられない。
体が快楽を覚えてしまった様子。
朝の空気、上がっていく息のなかで明晰になっていく思考。
辛いのに好き。
恋愛のようなもんです。
さてさて。
なんだか寝付けなくて夜中に起き出した昨晩の俺がダイニングでばったり出くわしたのは珍しくも姉貴。
時間は午前1時。
フードストッカーを漁っていたらしく、手にはリッツの箱が握られていた。
おどろいて振り返った顔が妙にツボで失笑。
自分の家でそんな泥棒みたいな顔すんなよ。
ブログ初登場のうちの姉貴、「はるみ」不倫マニアのOL。
そのせいかいつも家では不機嫌。オカンと衝突率もダントツだ。
虚しい恋愛にいつも部屋で泣いてばかりのくせに、もう5人連続家庭持ち。
俺にはその心理がいまひとつ分からない。
永遠に自分のものにならないと分かっている恋をどうしてそうも簡単にはじめてしまえるのか。
幸い今のお相手とはつかず離れずでうまくいってる様子、これまた珍しく鼻歌まじりだ。
「はるちゃん・・・何しとん」
「食料泥棒ー。なんか小腹がすいてん。」
あんたも食べる?と箱の封をあけながら椅子に座った姉貴をよそに俺は日本酒を DURALEXのピカルディタンブラーに注いだ。大事に飲んでるおとりよせの「香住鶴」だ。残り少ないがもぅ次の注文は済ませてある。年内には届くはず。
立ったままグラスを干した。
「あんたは寝酒か」
早速ばり、とリッツをかじりながら姉貴はふん、と鼻で笑って、まぁ座りィな、と顎で促してからリモコンでテレビをつけた。
「はるちゃんも飲む?」
「いらん。日本酒ムリやし」
ザッピングしながら愛想もなくいい放つ姉貴。
知っとぅわ、そんなこと。社交辞令やん。
椅子に座ろうと腰をおろしたとたん、違和感がはしった。
クリスマス両日の過度なセックスがたたって俺は軽い痔になっていた。
だいぶましになったが、それをすっかり忘れていたせいもあって大袈裟に顔に出た。
「薬塗った?」
姉貴がザッピングを続けながらこともなげに言った。
「私がつこてたん、あげよか?」
・・・・ええ?
グラスを握り締めたままフリーズした俺を見ずに姉貴は続けた。
「仲良しサンも結構やけどさぁ。カラダ壊すのはどうかと思うワ。」
「・・・・」
やっと姉貴が俺の顔を見た。
「なにぃ、その顔。あんなに声だしてたらそら聞こえるって・・・・お相手がコンタってのは意外やったけど」
「そか・・・・」
そういえばかなこの部屋と俺の部屋との間には収納スペースがあるが、反対側の姉貴の部屋との間は壁一枚だ。
仕事だデートだ飲み会だと不在がちな姉貴に対する警戒は薄かった。
なんたる失策。
「・・・びっくりした?」
俺はかろうじて笑いながらどうでもいいことを聞いた。
動揺しているのが自分でもわかった。
「んー。あんたのことやからなぁ。別にええっ!とかいうのはなかったけど・・・・・・・・まぁ正直、〝そうくるか!〟とは思ったな」
姉貴はおもしろそうに笑った。
笑い事じゃない。
いつかはバレると思ってたし、逆に隠しとおす必要もないかなとは思ってたけど。
気持ちの整理がなかなかつかないまま俺は三杯目の酒をあけた。
「まぁ、いろいろあるわさ・・・・・私がどうこういえる立場やないのは確実」
話している間も姉貴はリッツを食べつづけアルミパック1本を食べ終えた。
「はー。落ち着いた。」
姉貴はゴミを丸めながら立ち上がった。
俺は落ち着かない。
「みんな知らんのやろ?」
「うん」
「知らんままのほうがええんやろ?」
「どうなんやろ・・・・俺にもよぉわからん。」
「ふん。ほなわかるまではとりあえず現状維持やな。了解了解。」
姉貴はミネラルウォーターを一杯飲み干して満足げにぷはぁ、と息をついた。
「ほなお先。寝るわ。あ、薬いる?」
「ううん、もぅ大丈夫やし」
「あっそ。」
姉貴は興味なげに返事をしてテレビを消した。
最後の一滴をグラスに注いだ俺にダイニングをでがけの姉貴は言った。
「お互い親不孝やなぁ・・・・・」
それは独り言のようで。
俺の返事を待たずに、おやすみ、と呟いて姉貴が消えた。
さしあたって秘密は保全されたらしい。
俺とコンタをとりまく環境のすべてが姉貴のようなら平和なのに。
実際にはそうはいかないだろう。
反対もあるだろうし、差別や中傷や嫌悪もあるだろう。
でも俺もひけない。
絶対にひけない。
今年の年明けからずっとコンタのことを考えて過ごした。
最初は当惑。そして思いへの確信。
慟哭、逡巡、決心。
そして歓喜。
なぞるように思いを想起しつづけながら俺はゆっくりグラスを空にした。
絶対にひけない。
俺だって、真剣だ。
親不孝は百も承知。
それでも折れない俺の情熱。
自分が一番驚いてる。
今年最後の日記になります。
ご愛読、叱咤激励下さった諸姉諸嬢。
どうもありがとう。
そして来年もよろしく。
ええかげん朝のジョギングが辛いレンジです。
でもどうしてもやめられない。
体が快楽を覚えてしまった様子。
朝の空気、上がっていく息のなかで明晰になっていく思考。
辛いのに好き。
恋愛のようなもんです。
さてさて。
なんだか寝付けなくて夜中に起き出した昨晩の俺がダイニングでばったり出くわしたのは珍しくも姉貴。
時間は午前1時。
フードストッカーを漁っていたらしく、手にはリッツの箱が握られていた。
おどろいて振り返った顔が妙にツボで失笑。
自分の家でそんな泥棒みたいな顔すんなよ。
ブログ初登場のうちの姉貴、「はるみ」不倫マニアのOL。
そのせいかいつも家では不機嫌。オカンと衝突率もダントツだ。
虚しい恋愛にいつも部屋で泣いてばかりのくせに、もう5人連続家庭持ち。
俺にはその心理がいまひとつ分からない。
永遠に自分のものにならないと分かっている恋をどうしてそうも簡単にはじめてしまえるのか。
幸い今のお相手とはつかず離れずでうまくいってる様子、これまた珍しく鼻歌まじりだ。
「はるちゃん・・・何しとん」
「食料泥棒ー。なんか小腹がすいてん。」
あんたも食べる?と箱の封をあけながら椅子に座った姉貴をよそに俺は日本酒を DURALEXのピカルディタンブラーに注いだ。大事に飲んでるおとりよせの「香住鶴」だ。残り少ないがもぅ次の注文は済ませてある。年内には届くはず。
立ったままグラスを干した。
「あんたは寝酒か」
早速ばり、とリッツをかじりながら姉貴はふん、と鼻で笑って、まぁ座りィな、と顎で促してからリモコンでテレビをつけた。
「はるちゃんも飲む?」
「いらん。日本酒ムリやし」
ザッピングしながら愛想もなくいい放つ姉貴。
知っとぅわ、そんなこと。社交辞令やん。
椅子に座ろうと腰をおろしたとたん、違和感がはしった。
クリスマス両日の過度なセックスがたたって俺は軽い痔になっていた。
だいぶましになったが、それをすっかり忘れていたせいもあって大袈裟に顔に出た。
「薬塗った?」
姉貴がザッピングを続けながらこともなげに言った。
「私がつこてたん、あげよか?」
・・・・ええ?
グラスを握り締めたままフリーズした俺を見ずに姉貴は続けた。
「仲良しサンも結構やけどさぁ。カラダ壊すのはどうかと思うワ。」
「・・・・」
やっと姉貴が俺の顔を見た。
「なにぃ、その顔。あんなに声だしてたらそら聞こえるって・・・・お相手がコンタってのは意外やったけど」
「そか・・・・」
そういえばかなこの部屋と俺の部屋との間には収納スペースがあるが、反対側の姉貴の部屋との間は壁一枚だ。
仕事だデートだ飲み会だと不在がちな姉貴に対する警戒は薄かった。
なんたる失策。
「・・・びっくりした?」
俺はかろうじて笑いながらどうでもいいことを聞いた。
動揺しているのが自分でもわかった。
「んー。あんたのことやからなぁ。別にええっ!とかいうのはなかったけど・・・・・・・・まぁ正直、〝そうくるか!〟とは思ったな」
姉貴はおもしろそうに笑った。
笑い事じゃない。
いつかはバレると思ってたし、逆に隠しとおす必要もないかなとは思ってたけど。
気持ちの整理がなかなかつかないまま俺は三杯目の酒をあけた。
「まぁ、いろいろあるわさ・・・・・私がどうこういえる立場やないのは確実」
話している間も姉貴はリッツを食べつづけアルミパック1本を食べ終えた。
「はー。落ち着いた。」
姉貴はゴミを丸めながら立ち上がった。
俺は落ち着かない。
「みんな知らんのやろ?」
「うん」
「知らんままのほうがええんやろ?」
「どうなんやろ・・・・俺にもよぉわからん。」
「ふん。ほなわかるまではとりあえず現状維持やな。了解了解。」
姉貴はミネラルウォーターを一杯飲み干して満足げにぷはぁ、と息をついた。
「ほなお先。寝るわ。あ、薬いる?」
「ううん、もぅ大丈夫やし」
「あっそ。」
姉貴は興味なげに返事をしてテレビを消した。
最後の一滴をグラスに注いだ俺にダイニングをでがけの姉貴は言った。
「お互い親不孝やなぁ・・・・・」
それは独り言のようで。
俺の返事を待たずに、おやすみ、と呟いて姉貴が消えた。
さしあたって秘密は保全されたらしい。
俺とコンタをとりまく環境のすべてが姉貴のようなら平和なのに。
実際にはそうはいかないだろう。
反対もあるだろうし、差別や中傷や嫌悪もあるだろう。
でも俺もひけない。
絶対にひけない。
今年の年明けからずっとコンタのことを考えて過ごした。
最初は当惑。そして思いへの確信。
慟哭、逡巡、決心。
そして歓喜。
なぞるように思いを想起しつづけながら俺はゆっくりグラスを空にした。
絶対にひけない。
俺だって、真剣だ。
親不孝は百も承知。
それでも折れない俺の情熱。
自分が一番驚いてる。
今年最後の日記になります。
ご愛読、叱咤激励下さった諸姉諸嬢。
どうもありがとう。
そして来年もよろしく。
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