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自分の中の両極を、自分の中のけだものを。 制御し飼い馴らす方法を探す旅。
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でも俺は目の前の幸福にしがみつく。
♪あぁ~長崎ィはァ~
   きょぉもォ~ あァめェ~だぁああっったァ~♪






(;゜ロ゜)ハッ
唐突に熱唱してしまいました。

気候はムシムシ
股間はムレムレ
長崎から「恥ずかしながら戻って参りました( ̄^ ̄ゞビシ」レンジです。
眠れない2泊3日の旅、なんだかとってもハイテンション。

寝不足と諸事情にてまったく覚えていない長崎への旅。
なんだか損した気分。
さっき帰ってきたら「キスいやっ!」で俺みたいなヤツが出てたな・・・・
タイムリーすぎやんけ。


さて本題。
さぁ。
どこから話そ?

好きな相手にただ「好きだ」と伝えるだけでこんなにも消耗したのは初めてやった。
「好き」ということが、具体的にどういうことなのか考えたのも。



だから一日目の夜、旅館の「男部屋」に参加者全員が集まって繰り広げられていた宴会のあいまにコンタに声をかけたのもずいぶん遅い時間やった。3時ぐらいかな。
俺もたいがい飲んでたしコンタは俺よりさらにビールをあけてた。
でもいい感じの酔いで、コンタはなんとなくはしゃいだカンジ、俺の後ろで鼻歌。

bennie-k。
俺の、握り締めた手の中にあるのは汗と運命。
旅館を出て、別棟の露天風呂につづくらしい砂利道でコンタが俺に追いついて隣に並んだ。
「どしたー」
「んー」


俺は足を止めた。
もう当然露天風呂は閉まっとるんやろう、電気が消えてて、あたりに街灯もない。
コンタの表情は見えへん。



沈黙。



「どしたよ、れん」
心配そうにもういちどコンタが聞いてきた。
福岡からのバスの中でもひとしきり話題になった、「俺が彼女と別れた理由」を何より知りたがっていたのもそういえばコンタだっけなぁ・・・・そんなことを考えながら俺はもう一度んー、と言った。


すごい緊張やった。
心拍数がみるみるあがるんが自分でも分かる。
ここから逃げたい。

就職試験の最終面接並みのストレスや。




「なんかあったん?」
逃げたい。
でも伝えなあかん。
逃げたい。



伝えたい。





「いろいろあんねん」
「さえちゃん(モトカノ)のことかいな」
「ちゃう、おまえのことや」






うわ、ゆぅてもた。

コンタ黙った。

逃げたい。
でももうひけん。


なるべく明るく
いっつもみたいに、しょーもないハナシしてる時みたいにゆわな。



「んーなんやねんオレのことて」


いけオレ。




「ごめんやけどさー、俺コンタのこと好きやねんわぁ」






俺的には上出来。
なにげなく言えたと思う。
笑ったかんじにいえたと思う。
でもコンタは沈黙。



街灯もない
あかりもない
でも真っ暗ちゃう。
客室の明かりと旅館玄関の明かりとが闇になれた俺の目にコンタを浮かびあがらせる。
でも表情は分からん。


「ダチとしてちゃうわなぁ・・・?」
「ちゃう」



コンタがはは、と笑った。

イヤソコ笑うとこちゃうし。


「いつからよ?」
「・・・・今年入ったぐらいから」
「そっか」


沈黙。

息が苦しい。
ニゲタイ。
ニゲタイニゲタイニゲタイニゲタイニゲタイ。

でもまだ、俺はどんなに俺がコンタのことを好きか、全然伝えられてへん。
ふられるにしても、友達関係を失うにしても今伝えんと、俺の気持ちは永遠に宙ぶらりんや。
そない思たら腹がすわった。

「めっちゃ好きやねん。せやからさえと別れてん。なんかもぉどないしょうもないないねん。せやから・・・ゴメン」
「なんで謝んねんな」
コンタがまた笑った。

「なんか・・・・だってこんなんゆうてメイワクかけてるし」


「なー、れん、」


コンタがタバコに火をつけて一服吸った。

で、つづけた。


「おれとどうなりたいんよ?」
「へっ?」
「好きってれんはゆぅけど・・・」

んー、そやな、とコンタは途中までゆぅてまた黙った。
俺ぜんぜん余裕あらへん。
どうなりたいって・・・えっちしたいってことか?
わけわからんがな!

俺がぐるぐる考えているとコンタ、
「正直おれなぁ、自分でもまぁ不思議やねんけどれんに好きやゆわれて、そんなにイヤちゃうねんなぁ」
「ええええ」



正直「はぁ?」ってカンジやった。まじか?


「好きなんかどうか知らんで?ただ、きしょくわるい思わんねんなぁ・・・・」



じわっと・・・・

嬉しぃやんか!
どないしょ・・・俺の最悪のシナリオ、「拒絶」はこれでなくなったやん。
めちゃ嬉しい。
嬉しいぞ。

ってかこれで十分や。
それだけ俺はコンタの近くにおれたっちゅうだけで。


「言い方悪いけど、まぁ今ちょっと、男と恋愛っちゅーのにも興味出てきたわ・・・まずそれが成立するんかどうか、から」
「・・・」
「男好きになったこともないし、今かてオマエのこと恋愛的に好きなんかもよぉわからんねんで?」



何がいいたいねん(`□´)ノ゛



「ええやん、いっぺんやってみよ、」


ヤヤヤやるってナニを?!(カンチガイオレ。


「つきあうってやつ。れんが望むカンケェやないかもしれんけど、それはかまへん?」





やりました。
奇跡のサヨナラホームラン。
さっきとは違う意味で息が苦しい。
どないしょ、涙でそうや。



「うん、かまへん・・・・ってか、ホンマにええんかいな」
「おまえからゆぅといてなんやねん」
「絶対フラれる思てたモン」
コンタがタバコをふぃーとやりながらまた笑った。
「フッてもたらオマエとの付き合いも終ってまいそうやん。それもイヤやからなぁ。とりあえずオマエのワガママきいたるゆぅカンジぐらいに思とけよ。俺はオンナにもなれんし、オマエをオンナやとも思えんねんから」
「うん、なんか悪いなぁ、無理ゆぅて」
「オマエの無理きくんは慣れとる」









で、なにげに

肩を組んできた。








いつものコンタのクセやねんけど、めちゃドキっとした。




そしてげんきんな俺のチンコはまたもビンビンに・・・







このバカ息子!(ココロの中で股間に向かって叫ぶオレ。)

















差し出した手を払えないコンタの優しいとこにつけこんだんやろか、オレ。

変態なオレのとこまで降りてきてくれるコンタに感謝すべきなんやろな。

オレはコンタといろいろシタイ。

この股間のバカ息子が何より正直や。

せやけど、なんぼ優しいゆうてもそこまでコンタは受け入れられへんと思う。

気持ちのほてりを抑えるただの解熱剤なんかもしれん。



一時的なしあわせかもしれん。

悲しいしあわせなんかもしれん。





でも俺は目の前の幸福にしがみつく。

だって、今はそれしかすがるものがない。


























俺の恋愛、前途多難。











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