森さんは俺の前ではよく喋った。
先週のレッスンの時、以前組んでいたアンサンブルで一緒になったことのある人に偶然出会った。
彼女はビオラ専攻だったが、俺よりはるかにキャリアの長いお母さんだ。
明るく世話焼きで顔を広い。
森さんのことをなにげに聞いてみた。
「ああ、森くんね。知ってるけどあんまり話したことないなァ」
「そーですか」
「結構、有名人やよ、あのコ。」
「そうなんですか?」
「上手やし雰囲気あるし、演奏は私もすごく好きなんやけど。あんまり周りに溶けこまへん、っていうか、周りに興味なさげでさ。近寄りがたい感じでねー」
「はぁ・・・」
俺の第一印象とあまり違っていてちょっと面食らった。
饒舌で人見知りしないあの屈託ない雰囲気はなんなんだ。
あれから二度三度と電話で話したがいつでもテンションはかわらない。
「なんで急に森くんなん?・・・っていうかさ、レンジくんが誰かに興味持つってめっちゃ意外」
ここまで言って彼女はああ、と得心したように笑った。
「そういえば、似てるワ。森くんとレンジくん、そういう雰囲気。」
先週のレッスンの時、以前組んでいたアンサンブルで一緒になったことのある人に偶然出会った。
彼女はビオラ専攻だったが、俺よりはるかにキャリアの長いお母さんだ。
明るく世話焼きで顔を広い。
森さんのことをなにげに聞いてみた。
「ああ、森くんね。知ってるけどあんまり話したことないなァ」
「そーですか」
「結構、有名人やよ、あのコ。」
「そうなんですか?」
「上手やし雰囲気あるし、演奏は私もすごく好きなんやけど。あんまり周りに溶けこまへん、っていうか、周りに興味なさげでさ。近寄りがたい感じでねー」
「はぁ・・・」
俺の第一印象とあまり違っていてちょっと面食らった。
饒舌で人見知りしないあの屈託ない雰囲気はなんなんだ。
あれから二度三度と電話で話したがいつでもテンションはかわらない。
「なんで急に森くんなん?・・・っていうかさ、レンジくんが誰かに興味持つってめっちゃ意外」
ここまで言って彼女はああ、と得心したように笑った。
「そういえば、似てるワ。森くんとレンジくん、そういう雰囲気。」
御無沙汰です。
まあ毎度のことっちゃ毎度のことなんですがーw
時間がないというより書きたくないというか。
いつもざわざわと騒がしい俺の脳の言語の森にも時には静寂が必要だ。
長く続けたいからこそインターバルは絶対必要。
人間関係にも似ている。
でも本当にいつも申し訳なく思ってます。
こんなに不定期なのにいつも覗いてくれる皆さん、時々覗いてくれる皆さん、来てくれてる皆さん。
感謝しています。
ということで本筋。
まあ毎度のことっちゃ毎度のことなんですがーw
時間がないというより書きたくないというか。
いつもざわざわと騒がしい俺の脳の言語の森にも時には静寂が必要だ。
長く続けたいからこそインターバルは絶対必要。
人間関係にも似ている。
でも本当にいつも申し訳なく思ってます。
こんなに不定期なのにいつも覗いてくれる皆さん、時々覗いてくれる皆さん、来てくれてる皆さん。
感謝しています。
ということで本筋。
火曜日。
朝からちょっと憂鬱だった。
高校時代のさして仲良くもなかったクラスメート「水田」と飲む約束があった。(詳しい顛末は『棘の世界の住人たち』に記載済)
別に何が、というわけでもないが。
ただなんとなく気が重い。
退社してから待ち合わせの店までの道中、無理矢理テンションをあげてみる。
あぁぁぁ半クラみたいな音が自分の中でする気が。
エンジンに負担をかけたまま、さぁ見切り発車の坂道発進。(イミフ)
朝からちょっと憂鬱だった。
高校時代のさして仲良くもなかったクラスメート「水田」と飲む約束があった。(詳しい顛末は『棘の世界の住人たち』に記載済)
別に何が、というわけでもないが。
ただなんとなく気が重い。
退社してから待ち合わせの店までの道中、無理矢理テンションをあげてみる。
あぁぁぁ半クラみたいな音が自分の中でする気が。
エンジンに負担をかけたまま、さぁ見切り発車の坂道発進。(イミフ)
水曜の昼すぎ。
うだうだと過ごす俺の携帯が鳴った。
着信は
「エーイチ」。
うだうだと過ごす俺の携帯が鳴った。
着信は
「エーイチ」。
うちのゼミには大学に5年通ったヤツが三人いる。
1人はもちろん俺。
バイクで事故ったのが原因で試験にも出られず、授業を受ける気もせず、結局半年間大学生活を無駄に過ごした。
1人はコンタ。
一回生の春休みに親父さんが失踪した。事態が収束するまで授業料の関係もあって一年間の休学届を新学期に合わせて提出した。
幸い親父さんは秋口にふらりと帰ってきた。少しノイローゼ気味だったというが、ほどなく復調し再就職先も見つかった。
そしてもう1人がミカサ。
俺が事故ったのと同じ頃、彼女の母親が末期ガンだということが分かった。母親には告知がされ、その母親のたっての願いで在宅で最後を迎えることになった。その介護のため、いや少ない時を母親と過ごすため彼女は大学2回生を切り捨てた。余命半年、といわれたらしいが本当にその通り半年後には帰らぬ人となった。
新学期、新しい2回生の中でこれまでそんなに親しくなかった俺とコンタとミカサは顔をあわせ、当然のように妙な連帯感で結ばれることとなった。
特別な仲間だ。
1人はもちろん俺。
バイクで事故ったのが原因で試験にも出られず、授業を受ける気もせず、結局半年間大学生活を無駄に過ごした。
1人はコンタ。
一回生の春休みに親父さんが失踪した。事態が収束するまで授業料の関係もあって一年間の休学届を新学期に合わせて提出した。
幸い親父さんは秋口にふらりと帰ってきた。少しノイローゼ気味だったというが、ほどなく復調し再就職先も見つかった。
そしてもう1人がミカサ。
俺が事故ったのと同じ頃、彼女の母親が末期ガンだということが分かった。母親には告知がされ、その母親のたっての願いで在宅で最後を迎えることになった。その介護のため、いや少ない時を母親と過ごすため彼女は大学2回生を切り捨てた。余命半年、といわれたらしいが本当にその通り半年後には帰らぬ人となった。
新学期、新しい2回生の中でこれまでそんなに親しくなかった俺とコンタとミカサは顔をあわせ、当然のように妙な連帯感で結ばれることとなった。
特別な仲間だ。
ども。レンジです。
その後の顛末についての記事を
本家ブログ(コミュニティサイト内)にてアップしました。
興味のある方はご面倒ですが
リンクの「★恋児★アダルティでイこう」からドウゾ。
記事タイトルは
「模範解答ではないけれど。」
です。
その後の顛末についての記事を
本家ブログ(コミュニティサイト内)にてアップしました。
興味のある方はご面倒ですが
リンクの「★恋児★アダルティでイこう」からドウゾ。
記事タイトルは
「模範解答ではないけれど。」
です。
ども。
ええかげん朝のジョギングが辛いレンジです。
でもどうしてもやめられない。
体が快楽を覚えてしまった様子。
朝の空気、上がっていく息のなかで明晰になっていく思考。
辛いのに好き。
恋愛のようなもんです。
さてさて。
なんだか寝付けなくて夜中に起き出した昨晩の俺がダイニングでばったり出くわしたのは珍しくも姉貴。
時間は午前1時。
フードストッカーを漁っていたらしく、手にはリッツの箱が握られていた。
おどろいて振り返った顔が妙にツボで失笑。
自分の家でそんな泥棒みたいな顔すんなよ。
ブログ初登場のうちの姉貴、「はるみ」不倫マニアのOL。
そのせいかいつも家では不機嫌。オカンと衝突率もダントツだ。
虚しい恋愛にいつも部屋で泣いてばかりのくせに、もう5人連続家庭持ち。
俺にはその心理がいまひとつ分からない。
永遠に自分のものにならないと分かっている恋をどうしてそうも簡単にはじめてしまえるのか。
幸い今のお相手とはつかず離れずでうまくいってる様子、これまた珍しく鼻歌まじりだ。
「はるちゃん・・・何しとん」
「食料泥棒ー。なんか小腹がすいてん。」
あんたも食べる?と箱の封をあけながら椅子に座った姉貴をよそに俺は日本酒を DURALEXのピカルディタンブラーに注いだ。大事に飲んでるおとりよせの「香住鶴」だ。残り少ないがもぅ次の注文は済ませてある。年内には届くはず。
立ったままグラスを干した。
「あんたは寝酒か」
早速ばり、とリッツをかじりながら姉貴はふん、と鼻で笑って、まぁ座りィな、と顎で促してからリモコンでテレビをつけた。
「はるちゃんも飲む?」
「いらん。日本酒ムリやし」
ザッピングしながら愛想もなくいい放つ姉貴。
知っとぅわ、そんなこと。社交辞令やん。
椅子に座ろうと腰をおろしたとたん、違和感がはしった。
クリスマス両日の過度なセックスがたたって俺は軽い痔になっていた。
だいぶましになったが、それをすっかり忘れていたせいもあって大袈裟に顔に出た。
「薬塗った?」
姉貴がザッピングを続けながらこともなげに言った。
「私がつこてたん、あげよか?」
・・・・ええ?
グラスを握り締めたままフリーズした俺を見ずに姉貴は続けた。
「仲良しサンも結構やけどさぁ。カラダ壊すのはどうかと思うワ。」
「・・・・」
やっと姉貴が俺の顔を見た。
「なにぃ、その顔。あんなに声だしてたらそら聞こえるって・・・・お相手がコンタってのは意外やったけど」
「そか・・・・」
そういえばかなこの部屋と俺の部屋との間には収納スペースがあるが、反対側の姉貴の部屋との間は壁一枚だ。
仕事だデートだ飲み会だと不在がちな姉貴に対する警戒は薄かった。
なんたる失策。
「・・・びっくりした?」
俺はかろうじて笑いながらどうでもいいことを聞いた。
動揺しているのが自分でもわかった。
「んー。あんたのことやからなぁ。別にええっ!とかいうのはなかったけど・・・・・・・・まぁ正直、〝そうくるか!〟とは思ったな」
姉貴はおもしろそうに笑った。
笑い事じゃない。
いつかはバレると思ってたし、逆に隠しとおす必要もないかなとは思ってたけど。
気持ちの整理がなかなかつかないまま俺は三杯目の酒をあけた。
「まぁ、いろいろあるわさ・・・・・私がどうこういえる立場やないのは確実」
話している間も姉貴はリッツを食べつづけアルミパック1本を食べ終えた。
「はー。落ち着いた。」
姉貴はゴミを丸めながら立ち上がった。
俺は落ち着かない。
「みんな知らんのやろ?」
「うん」
「知らんままのほうがええんやろ?」
「どうなんやろ・・・・俺にもよぉわからん。」
「ふん。ほなわかるまではとりあえず現状維持やな。了解了解。」
姉貴はミネラルウォーターを一杯飲み干して満足げにぷはぁ、と息をついた。
「ほなお先。寝るわ。あ、薬いる?」
「ううん、もぅ大丈夫やし」
「あっそ。」
姉貴は興味なげに返事をしてテレビを消した。
最後の一滴をグラスに注いだ俺にダイニングをでがけの姉貴は言った。
「お互い親不孝やなぁ・・・・・」
それは独り言のようで。
俺の返事を待たずに、おやすみ、と呟いて姉貴が消えた。
さしあたって秘密は保全されたらしい。
俺とコンタをとりまく環境のすべてが姉貴のようなら平和なのに。
実際にはそうはいかないだろう。
反対もあるだろうし、差別や中傷や嫌悪もあるだろう。
でも俺もひけない。
絶対にひけない。
今年の年明けからずっとコンタのことを考えて過ごした。
最初は当惑。そして思いへの確信。
慟哭、逡巡、決心。
そして歓喜。
なぞるように思いを想起しつづけながら俺はゆっくりグラスを空にした。
絶対にひけない。
俺だって、真剣だ。
親不孝は百も承知。
それでも折れない俺の情熱。
自分が一番驚いてる。
今年最後の日記になります。
ご愛読、叱咤激励下さった諸姉諸嬢。
どうもありがとう。
そして来年もよろしく。
ええかげん朝のジョギングが辛いレンジです。
でもどうしてもやめられない。
体が快楽を覚えてしまった様子。
朝の空気、上がっていく息のなかで明晰になっていく思考。
辛いのに好き。
恋愛のようなもんです。
さてさて。
なんだか寝付けなくて夜中に起き出した昨晩の俺がダイニングでばったり出くわしたのは珍しくも姉貴。
時間は午前1時。
フードストッカーを漁っていたらしく、手にはリッツの箱が握られていた。
おどろいて振り返った顔が妙にツボで失笑。
自分の家でそんな泥棒みたいな顔すんなよ。
ブログ初登場のうちの姉貴、「はるみ」不倫マニアのOL。
そのせいかいつも家では不機嫌。オカンと衝突率もダントツだ。
虚しい恋愛にいつも部屋で泣いてばかりのくせに、もう5人連続家庭持ち。
俺にはその心理がいまひとつ分からない。
永遠に自分のものにならないと分かっている恋をどうしてそうも簡単にはじめてしまえるのか。
幸い今のお相手とはつかず離れずでうまくいってる様子、これまた珍しく鼻歌まじりだ。
「はるちゃん・・・何しとん」
「食料泥棒ー。なんか小腹がすいてん。」
あんたも食べる?と箱の封をあけながら椅子に座った姉貴をよそに俺は日本酒を DURALEXのピカルディタンブラーに注いだ。大事に飲んでるおとりよせの「香住鶴」だ。残り少ないがもぅ次の注文は済ませてある。年内には届くはず。
立ったままグラスを干した。
「あんたは寝酒か」
早速ばり、とリッツをかじりながら姉貴はふん、と鼻で笑って、まぁ座りィな、と顎で促してからリモコンでテレビをつけた。
「はるちゃんも飲む?」
「いらん。日本酒ムリやし」
ザッピングしながら愛想もなくいい放つ姉貴。
知っとぅわ、そんなこと。社交辞令やん。
椅子に座ろうと腰をおろしたとたん、違和感がはしった。
クリスマス両日の過度なセックスがたたって俺は軽い痔になっていた。
だいぶましになったが、それをすっかり忘れていたせいもあって大袈裟に顔に出た。
「薬塗った?」
姉貴がザッピングを続けながらこともなげに言った。
「私がつこてたん、あげよか?」
・・・・ええ?
グラスを握り締めたままフリーズした俺を見ずに姉貴は続けた。
「仲良しサンも結構やけどさぁ。カラダ壊すのはどうかと思うワ。」
「・・・・」
やっと姉貴が俺の顔を見た。
「なにぃ、その顔。あんなに声だしてたらそら聞こえるって・・・・お相手がコンタってのは意外やったけど」
「そか・・・・」
そういえばかなこの部屋と俺の部屋との間には収納スペースがあるが、反対側の姉貴の部屋との間は壁一枚だ。
仕事だデートだ飲み会だと不在がちな姉貴に対する警戒は薄かった。
なんたる失策。
「・・・びっくりした?」
俺はかろうじて笑いながらどうでもいいことを聞いた。
動揺しているのが自分でもわかった。
「んー。あんたのことやからなぁ。別にええっ!とかいうのはなかったけど・・・・・・・・まぁ正直、〝そうくるか!〟とは思ったな」
姉貴はおもしろそうに笑った。
笑い事じゃない。
いつかはバレると思ってたし、逆に隠しとおす必要もないかなとは思ってたけど。
気持ちの整理がなかなかつかないまま俺は三杯目の酒をあけた。
「まぁ、いろいろあるわさ・・・・・私がどうこういえる立場やないのは確実」
話している間も姉貴はリッツを食べつづけアルミパック1本を食べ終えた。
「はー。落ち着いた。」
姉貴はゴミを丸めながら立ち上がった。
俺は落ち着かない。
「みんな知らんのやろ?」
「うん」
「知らんままのほうがええんやろ?」
「どうなんやろ・・・・俺にもよぉわからん。」
「ふん。ほなわかるまではとりあえず現状維持やな。了解了解。」
姉貴はミネラルウォーターを一杯飲み干して満足げにぷはぁ、と息をついた。
「ほなお先。寝るわ。あ、薬いる?」
「ううん、もぅ大丈夫やし」
「あっそ。」
姉貴は興味なげに返事をしてテレビを消した。
最後の一滴をグラスに注いだ俺にダイニングをでがけの姉貴は言った。
「お互い親不孝やなぁ・・・・・」
それは独り言のようで。
俺の返事を待たずに、おやすみ、と呟いて姉貴が消えた。
さしあたって秘密は保全されたらしい。
俺とコンタをとりまく環境のすべてが姉貴のようなら平和なのに。
実際にはそうはいかないだろう。
反対もあるだろうし、差別や中傷や嫌悪もあるだろう。
でも俺もひけない。
絶対にひけない。
今年の年明けからずっとコンタのことを考えて過ごした。
最初は当惑。そして思いへの確信。
慟哭、逡巡、決心。
そして歓喜。
なぞるように思いを想起しつづけながら俺はゆっくりグラスを空にした。
絶対にひけない。
俺だって、真剣だ。
親不孝は百も承知。
それでも折れない俺の情熱。
自分が一番驚いてる。
今年最後の日記になります。
ご愛読、叱咤激励下さった諸姉諸嬢。
どうもありがとう。
そして来年もよろしく。